第3回全国健康都市めぐりin嬉野市

第3回全国健康都市めぐりin嬉野市が平成27年11月14日(土)に嬉野市社会文化会館「リバティ」で、およそ350人の来場者を迎えて開催されました。「全国健康都市めぐり」はWHO(世界保健機関)が提唱する「健康都市」の考え方を普及・啓発し、その実践を支援することを目的に、開催都市とNGO健康都市活動支援機構が健康都市連合と共に継続的におこなうイベントです。

第3回となる今回のテーマは「する・みる・ささえるユニバーサルスポーツ」です。

「人にやさしいまちづくり」を推進する嬉野市において、新たにユニバールサスポーツ(Uni-Spo)を通じて、すべての人が一緒になって楽しみ、健康で過ごすことができる「健康都市・うれしの」の取り組みを、市民、全国、さらに2020年パラリンピック東京大会に向けて広く発信することを目的としています。

ユニバーサルスポーツ(Uni-Spo)とは、体力・体格などで有利な人だけがゲームの主導権を握り、活躍するのではなく、それらに劣る人でも同じように得点獲得や勝敗に関わることができるよう考案され、構造化されたスポーツのことです。

視覚障がい者の伴走者、スポーツ大会の運営を支えるボランティア活動もUni-Spoの領域に含みます。老若男女、障がいの有無、人種のちがいに関わらず、すべての人が参加できるように、環境やプログラムを整備することが大切です。

ポスター
ポスター

開会式

大会は嬉野高校女子生徒による嬉昇伝心太鼓(きしょうでんしんだいこ)の力強い演奏で幕を開けました。「嬉昇伝心」とは、同校の生徒達が「嬉野市と嬉野高校の今後の発展と、自分たちの演奏が聴く人の心に届くように」との願いをこめて命名しました。

 

 

続いて、主催者を代表して嬉野市谷口太一郎市長が挨拶に立ちました。谷口市長は今回の健康都市めぐりのきっかけについて、「健康保養のまちづくりの施策を展開してきたこと」、「県の指導を受けながら全国ユニバーサルデザインの大会を嬉野市で開催したこと」、そして「嬉野市バリアフリーツアーセンターが全国に先駆けて嬉野でスタートしたこと」の3つを挙げ、こうした流れが今回の健康都市めぐりに結びついたとしました。ユニスポについては、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えた時宣を得たテーマとの考えを述べ「今後もWHOが目指す健康都市づくりを真正面から捉え、小さな自治体ではあるが世界に向けて情報発信を行いたい」と意欲を示しました。

 

 

嬉野市と共にイベントを主催するNGO健康都市活動支援機構からは、千葉光行理事長が挨拶を行いました。千葉理事長は、機構の国内外の事業紹介を行う中、健康都市めぐりを通じて嬉野市のスポーツをはじめとする健康都市の施策を発信しさまざまな都市の参考にしてもらうことや、西太平洋アジア地域での国際交流事業を通じて健康による国際平和に貢献したいとの考えを示しました。

さらに来年度からの事業として、食や運動の分野で活躍する健康ボランティアの方々への支援事業を展開する計画も発表しました。

嬉野高校女子生徒による嬉昇伝心太鼓(きしょうでんしんだいこ)
嬉野高校女子生徒による嬉昇伝心太鼓(きしょうでんしんだいこ)
主催者を代表して挨拶する谷口市長
主催者を代表して挨拶する谷口市長
挨拶する千葉理事長
挨拶する千葉理事長

基調講演

基調講演には、講師にNPO法人STAND伊藤数子代表理事をお迎えしました。講演のテーマは「すべての人が好きなスポーツをする社会へ」です。

伊藤代表理事は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会顧問や内閣府地域活性化伝道師、日本パラリンピアンズ協会アドバイザーなどを兼任されています。

基調講演を行う伊藤数子代表理事
基調講演を行う伊藤数子代表理事

障害者スポーツの振興に携わるようになったのは、車いす陸上を観戦したことがきっかけです。2005年にはNPO法人STANDを設立。以来、選手の育成やファンの拡大をめざして、障害者スポーツの面白さを伝えるウェブサイト「挑戦者たち」や障害者スポーツ競技大会のインターネットライブ中継「モバチュウ」を立ち上げたほか、障害者スポーツの体験会といった事業を企業や団体と協働で展開しています。2012年ロンドンパラリンピックでは、日本選手たちの挑戦を伝えるウェブサイト「The Road to London」を開設しました。

STANDの目的は、2020年を契機に、日本をユニバーサルな社会にするため、障害の有無によらないコミュニケーションを広げること。現実的なアプローチとして、まずは「国内のパラ競技の大会の客席を埋める!」ことやボランティアアカデミーを通した障害者との相互理解を進めています。 

STANDの事業1:スポーツ体験会
STANDの事業1:スポーツ体験会
STANDの事業2:ボランティアアカデミー
STANDの事業2:ボランティアアカデミー
STANDの事業3:動画サイトの運営
STANDの事業3:動画サイトの運営

東京オリンピック・パラリンピックに向けた内容では、1964年の東京パラリンピックまで遡り、リハビリスポーツから競技スポーツ、エリートスポーツへと発展した流れを解説しました。特に2008年北京以降、パラリンピックは超エリート化し、五輪同様に国をあげて強化しないと勝てない時代なったと分析。普及・育成・強化の正三角形を概念図として紹介し、正三角形、つまり競技人口を大きくするには、頂点を高くすることと同時に底辺を長くすることが重要と強調しました。

念図:普及・育成・強化の正三角形
念図:普及・育成・強化の正三角形
パラリンピックは国の文化度や成熟度を測るものさし
パラリンピックは国の文化度や成熟度を測るものさし

パネルトーク

続くパネルトークでは、各自治体の紹介や健康づくりの取り組みをお聞きました。

パネラーとして登壇いただいたのは、帯広市保健福祉部名和靖史地域包括ケア担当部長、新潟県妙高市入村明市長、嬉野市谷口太一郎市長、健康都市連合中村桂子事務局長で、コメンテーターとしてNPO法人STAND伊藤数子代表理事をお迎えしました。

コーディネーターは、NGO健康都市活動支援機構の梶本久夫常任理事が務めました。

パネルトーク
パネルトーク
パネラー
パネラー
コーディネーターとコメンテーター
コーディネーターとコメンテーター

帯広市保健福祉部 名和靖史地域包括ケア担当部長

帯広市は十勝平野のほぼ中央に位置しており、面積は10831km2で岐阜県とほぼ同じ、人口はおよそ16万8千人を擁しています。

当市が開催する「ばんえい競馬」は体重1トンを超える馬が重りを乗せた鉄そりを引いて直線コースを競う世界でたった一つの競馬です。開拓時代の農耕馬が現代のレースへ受け継がれ、今では北海道遺産として人々に感動を与えています。

大規模な農業が営まれている十勝・帯広(十勝19市町村)の食料自給率はカロリーベースで1,100%。約400万人分の食料供給を誇っています。

そうした十勝・帯広の強みである「農業と食」を中心に、食の集積地(食に関連した企業や研究機関、人などが集積する場所)の総称として「フードバレーとかち」を掲げ、地域の成長戦略として19市町村が一体となり取組んでいるところです。

十勝平野の中央に位置する帯広市
十勝平野の中央に位置する帯広市
「ばんえい競馬」
「ばんえい競馬」
「フードバレーとかち」のロゴマーク
「フードバレーとかち」のロゴマーク

健康都市の取組みでは、指針として「第二期けんこう帯広21」を策定し、各種施策を進めています。食は健康維持の基本であり、食糧生産地の使命においても重要な位置づけにあるため、妊娠・出産期から高齢期までのライフステージに応じた栄養バランスのとれた食生活への取り組みを展開しています。

運動面では「おびひろエアロビクス(オビロビ)」を2007年に職員が考案しました。特に冬場の積雪や凍結に配慮し、歩数を少しでも稼げるようにその場歩き中心の運動としました。高齢者向けの「ゆっくり編」、少し運動強度を上げた「脱メタボ編」、椅子に座って出来る「いす編」もあります。NHKでも取り上げられ、全国に放映されました。

NHKでも紹介された「オビロビ」
NHKでも紹介された「オビロビ」

2014年8月には「第2回全国健康都市めぐりin帯広市」を実施しました。「フードバレーとかち&健康都市~もっと豆のことを知ろう~」をテーマに、食と健康の視点で十勝・帯広の魅力を発信しました。

基調講演では料理家の辰巳芳子氏を迎え、500名の参加者が殺到したため、急きょ第2会場を設ける等大盛況でした。

「食の交流コーナー」や、八幡浜市、涌谷町、網走市の参加健康都市からのご当地グルメや、十勝の安心安全な食材を使った料理の試食コーナーを設けました。協賛企業からの製品提供をはじめ、食生活改善推進員などのボランティアの活躍もあり、市民およそ2000人が参加する大イベントになりました。

「第2回全国健康都市めぐりin帯広市」
「第2回全国健康都市めぐりin帯広市」

スポーツの取組みでは、今年4回目となるフードバレーマラソンが毎年11月に実施されています。

今年は道内外から約5,100人のランナーがハーフマラソン、5km、2.5kmとそれぞれの体力に応じて参加しました。

フードバレーマラソン
フードバレーマラソン

当市は冬場でも晴天が多く、雪は少なく、寒さの厳しい地域です。冬季のスポーツで盛んに行なわれているのは、スピードスケート、クロスカントリーが代表的です。

スケートでは、学童から冬季の体育授業の中に取り入れられ、活発に行われています。冬になると各学校にはグラウンドの雪を踏み潰し、水を撒いてスケートリンクが作られるのが十勝の冬の風物詩となります。ちなみに、長野オリンピックスピードスケート男子500mで金メダルを獲得した清水宏保は帯広市出身だそうです。

一方のクロスカントリーでは、市内に2か所のコースがあり、身近に楽しめるスポーツとして多くの市民が楽しんでいます。

スピードスケート
スピードスケート
クロスカントリー
クロスカントリー

新潟県妙高市 入村明市長

妙高市は新潟県の南西部、長野県に隣接し、面積は445.63km2、人口は約3万4千人を擁しています。市の名前にもなっている「妙高山」をはじめ、「火打山」「高妻山」の3つの日本百名山と7つの温泉地を持ち、その豊かな自然は妙高戸隠連山国立公園に指定されています。

国内屈指の豪雪地帯でもあり、スキーシーズンには、「ビッグスノー」「ディープスノー」を求めて、国内外から多くのスキーヤーが訪れるリゾート地でもあります。

特産品は米、日本酒、高原野菜、発酵食品(味噌、かんずりなど)、妙高ゆきエビ、大葉など。

平成27年3月には、北陸新幹線の開業と妙高戸隠連山国立公園の分離独立により、「100年に一度の好機」が到来しました。この機会を今後のまちづくりに最大限生かし、交流人口の拡大による地域経済の活性化を目指しています。

妙高戸隠連山国立公園を臨む
妙高戸隠連山国立公園を臨む
国内外から多くのスキーヤーが訪れる
国内外から多くのスキーヤーが訪れる
平成27年3月に開業した北陸新幹線
平成27年3月に開業した北陸新幹線

妙高市が直面する「健康」の課題は、人口減少と高齢化(4月1日現在32.5%)です。

1人当たりの医療費は、新潟県内の20市でワースト4。医療費の抑制のため、運動習慣の定着や食事の管理をはじめ、介護予防の推進、特定健康診査等での病気の早期発見・早期治療、生活習慣病予防策での一層の推進が必要です。

 

「総合健康都市 妙高」の実現に向けた取り組みでは、豊富な温泉や国立公園の自然などの地域資源の有効活用や、ウォーキング、ラジオ体操の普及による市民の運動習慣の定着により、超高齢社会への対応や医療費抑制、観光産業の立て直しを図り、「健康保養地」「総合健康都市」として自立した地域の形成を目指しています。

 

具体的な取組みとしてはまず、「元気いきいき健康条例」の制定と国保特定健診受診率100%を目指した未受診者訪問や電話勧奨があります。活動の結果、平成25年には厚生労働省主催の「第2回健康寿命をのばそう!アワード」で「総合健康都市妙高」の実現に向けた市民主体の健康づくりが優良賞を受賞しました。さらに同年妙高市の国保特定健診受診率は58.4%と、県内20市中トップになっています。

「第2回健康寿命をのばそう!アワード」の授賞式
「第2回健康寿命をのばそう!アワード」の授賞式

健康保養地プログラムの実施も具体的な取組みの一つです。妙高市の地域資源が潜在的に持つ「医学的価値」を有効活用するもので、「笹ヶ峰高原」での気候療法ウォーキングや温泉プールでの水中運動(温泉療法)などを中心に、対象者に合った「妙高型健康保養地プログラム」を実施しています。平成26年度は、延べ820人がプログラムに参加しました。

気候療法ウォーキング
気候療法ウォーキング
温泉療法
温泉療法

平成27年度は、糖尿病などが疑われる市民に対し、保健師、管理栄養士、健康運動指導士などの多職種が連携して提供する新たな保健指導プログラム「宿泊型新保健指導(スマート・ライフ・ステイ)プログラム」を実施しています。宿泊型新保健指導試行事業は、市内の宿泊施設を拠点に、ウォーキングや水中運動を行うほか、血液検査、保健指導などにより、1泊2日の「旅」の中で健康の大切さを実感してもらい、行動変容に結び付けるものです。参加者は市民30人で、「旅」の終了後も、6カ月間にわたって、保健指導やウォーキングなどを実施中です。

平成29年春には、「健康保養地」の拠点となる「妙高高原体育館」がオープン予定です。温泉療法(水中運動)の専用プールを完備しています。

平成29年春オープン予定の「妙高高原体育館」
平成29年春オープン予定の「妙高高原体育館」
温泉療法(水中運動)の専用プールを完備
温泉療法(水中運動)の専用プールを完備

嬉野市 谷口太一郎市長

当市は平成10年、厚生省(当時)から「健康保養地づくり計画」モデル市町村として指定され、平成11年には「健康文化と快適なくらしのまち創造プラン」を作成しました。目指したのは、豊かな自然環境と宿泊、医療、健康増進施設を活用した中長期滞在型の健康保養地づくりです。

 

健康文化と快適なくらしのまち創造プランは、健康文化のまちづくり計画(市民のための健康づくりを中心とした計画)と健康保養地づくり計画(市外からの来訪者の健康づくりを中心とした計画)の2本柱で構成されます。

健康文化と快適なくらしのまち創造プラン
健康文化と快適なくらしのまち創造プラン

まず、健康文化のまちづくり計画は、嬉野市に暮らし働く人々が心身ともに健康であるための総合的環境づくりを行うもので、保健や福祉サービスを活用しやすい環境づくり、バリアフリー環境整備、健康関連の学習機会提供、健康増進の啓蒙活動、心のケアが内容です。

健康文化のまちづくり計画
健康文化のまちづくり計画

一方の健康保養地づくり計画は、中長期の滞在により恵まれた自然環境の中で心身をリフレッシュし、積極的な健康づくりや健康的な生活習慣の定着につなげるもので、以下のプログラムから成ります。

 

①栄養プログラム:特産品を活かした健康的で魅力あるメニューの提供

②運動プログラム:九州オルレ嬉野コース 嬉野の豊かな自然と歴史に触れながらトレッキング

③休養プログラム:温泉浴を活用した健康保養

④医療プログラム:医療の連携と健康づくり

 

医療プログラムでは、独立行政法人国立病院機構嬉野医療センターが中核となり、医療機器の共同利用や研修を通して地域医療を支援しており、肝炎ウイルス健診や特定健診、後期高齢者健診などデータに基づく対面保健指導を行っています。

 

⑤体験交流プログラム:嬉野市の歴史と伝統を自ら体験してもらい、交流を図る

⑥特産品を活用した商品開発

健康保養地づくり計画
健康保養地づくり計画

嬉野市はまた、まちづくりに「全ての人にやさしいまちづくり」を掲げ、「日本一のバリアフリーのまちうれしの」を目指してバリアフリーなおもてなしのあるまち(心・気持ちの面のバリアフリー)、観光と公共施設のユニバーサルデザインを進めるまち(観光のまちづくりのバリアフリー)、住民同士が助け合うまち(暮らしのバリアフリー)の3つを推進しています。

「全ての人にやさしいまちづくり」
「全ての人にやさしいまちづくり」
バリアフリーの3施策
バリアフリーの3施策

具体的取組みは以下のとおりです。

 

1バリアフリーなおもてなしのあるまち 

・バリアフリーツアーセンターの設置               

・市民のバリアフリー観光意識の向上          

・企業のバリアフリー意識の向上

・住民向けケアサービスの観光客への実施  

 

2観光と公共施設のユニバーサルデザインを進めるまち

・ユニバーサルデザインに対する市民の意識醸成                 

・ユニバーサルデザインに基づく施設整備・環境整備 

 

3住民同士が助け合うまち

・地域交流情報の充実                

・ボランティア活動の推進                          

・イベント交流の充実

 

取組みの一環として、平成19年に嬉野市ひとにやさしいまちづくり推進計画を策定し、佐賀嬉野バリアフリーツアーセンターを設置しました。センターでは、宿泊・観光施設などのバリアフリーの情報提供、市民や観光事業従事者への講座開催、ユニバーサルデザイン(UD)観光案内人の養成、身体障がい者の競技大会の開催、みんなのトイレ設置助成等、37の市の事業を行っています。

バリアフリーツアーセンター
バリアフリーツアーセンター

UDの事業としては、平成22年に佐賀県UD全国大会を開催しました。

また、市内小中学校とうれしの特別支援学校との交流共同学習も行っています。目的は両校の生徒が同じ活動を通し、お互いにふれあい、尊重し仲間としての意識を育てることです。各班に分かれて自己紹介を行いながら、それぞれの班でゲームや歌、ダンスの披露などを行いました。

一方スポーツでは、ニューミックステニス大会やユニスポの「ボッチャ」に取組んでいます。

ユニバーサルデザイン全国大会
ユニバーサルデザイン全国大会
車椅子体験
車椅子体験
ニューミックステニス大会
ニューミックステニス大会
ボッチャ大会
ボッチャ大会

健康都市連合 中村事務局長

健康都市の目的は、それぞれの都市に住んでいる皆さんが健康で豊かで楽しい生活を送れることです。健康を維持・増進するには、食や運動、文化活動の積み重ねといった日々の生活が大切です。また、健康都市づくりでは、それぞれの地域が特長を活かしながら活動を行うことが求められます。

 

今日の発表でも、コミュニケーションをはじめ食や健康保養、バリアフリーなどいろいろな活動方向がありました。そのように一人ひとりが健康になることでまちが健康になり、さらには産業を豊かにすることにつながるのです。

 

健康都市連合はそうした健康まちづくりを共に進める都市のネットワークです。現在、日本支部には41の市町が加盟しています。ただ、九州で加盟しているのは嬉野市だけです。今日はいろいろな自治体の方に参加いただいているので、連合への参加を検討いただければ幸いです。なぜ自治体のネットワークが必要なのでしょうか?それは、他の地域の優れた活動を参考にできるからです。連合は日本を含む西太平洋アジア地域のネットワークですので、海外の都市ともつながることができます。国際貢献として、そうした都市の人々を健康にできるのです。

 

この画像は今年八幡浜市で開催された日本支部の大会の様子です。大会には全国から健康ボランティアに取組む市民が集まり、交流が行われています。今回、運動では帯広市の紹介がありましたが、多くの地域で健康体操を実践しています。食生活改善でもさまざまな取組みがあります。そうした情報を交換することで新しい試みが生まれているのです。

日本支部大会(八幡浜市)
日本支部大会(八幡浜市)
愛媛県上島町でのサイクリング
愛媛県上島町でのサイクリング

基調講演では、三角形の概念図が印象的です。金メダリストも大事ですが、裾野の底辺を広げることも大事だということです。健康都市も同じです。日々の健康維持・増進に取組む市民の層を広げることが重要なのです。ボッチャを一例に挙げると、老若男女障害の有無に関わらず、多様な人々が一緒になり楽しんでします。参加することで社会の活動の場を広げています。これを三角形の概念図に当てはめると、裾野にさまざまな人々を含むことで立体化する絵が描けるのではないでしょうか。健康は場所を選びません。切り口もたくさんあります。今回のパネルディスカッションでは、そうした優れた事例が示されたと思っています。

コメント NPO法人STAND 伊藤数子代表理事

皆さんの発表を聞き、「楽しいから、面白そうだからやってみたい」と思わせる仕組みをつくっていることがよくわかりました。「健康のためにこれをしなさい」と言っても、なかなか出来るものではありません。スポーツには元々、「余暇の時間を楽しむ」という意味があります。だから、遊びや楽しみを目的にスポーツに誘っていただきたいのです。そんなスポーツの効用は3つああります。一つは体を動かすことで空腹になることです。二つ目は疲れてよく眠れること。そして三つめは友だち、仲間が出来ることです。

 

一方でスポーツのバリアフリーでは、体育館の利用を断られることがよくあります。例えば車椅子バスケット。

床が傷つくのが理由だそうです。でも、どんなスポーツでも使えば大なり小なり傷はつくのです。そんなことを心配することよりも、多くの人々が分け隔てなくスポーツを楽しめるような環境をつくることが本当のバリアフリーでありユニバーサルデザインだと思います。

 

もう一つ心配なのが学校教育での体育です。さまざまな運動を体験させるのはよいのですが、一方でできない子どもたちを運動嫌いにしてしまっています。妙高市の温泉療法の写真では、裸の男性同士が全員笑顔で写っています。療法の効果はさておき、楽しくなければ笑顔にはなれません。だから、「楽しいよ、遊ぼうよ」と誘い合わせながら健康都市づくりにスポーツを活用いただきたいと思います。

 

2023年の第78回国民体育大会は佐賀県で開催されます。第23回全国障害者スポーツ大会も同じく佐賀県で開催されることとなります。「スポーツのユニバーサルデザイン化」すなわちユニスポに取組む好機と捉えています。委員の一人として、両大会を融合化させた新しい形の大会にしたいと考えています。

まとめ NGO健康都市活動支援機構 梶本久夫常任理事

本日のパネルトークのまとめとして、以下を挙げたいと思います。

 

① 健康都市づくりは、「参加と連携」が大切なポイント

② 自治体すべての政策に「健康」をベースにする

③ 健康都市の目的は「人々の健康の向上と地域力の向上」

 

こうした新たな社会のデザインが健康都市なのではないでしょうか。

本日はありがとうございました。

健康ふれあいイベント

健康ふれあいイベントでは、「食の広場」と「健康イベント広場」を設け、食と運動を通じた健康都市を実体験できる場としました。

 

●「食の広場」

地元食の体験コーナー

・ランチパック嬉野版無償配布(山崎製パン)

・だご汁(鯨肉入)振舞い(嬉野市食生活改善協議会)

・温泉湯どうふ振舞い(嬉野温泉湯どうふ振興協議会)

・うれしの茶、うれしの紅茶試飲&販売(うれしの紅茶振興協議会)   

・嬉野スイーツ試食・販売(嬉野町菓子組合)

・嬉野温泉足湯体験ブース併設(嬉野温泉観光協会)

ランチパック嬉野版無償配布(山崎製パン)
ランチパック嬉野版無償配布(山崎製パン)
だご汁(鯨肉入)や温泉湯豆腐の振舞い
だご汁(鯨肉入)や温泉湯豆腐の振舞い
うれしの茶、うれしの紅茶試飲&販売
うれしの茶、うれしの紅茶試飲&販売

●健康イベント広場

・ゆっつらくん健康体操実演

嬉野温泉公式ゆるキャラの「ゆっつらくん」の動きをイメージした「ゆっつらくん健康体操」。かわいい歌と誰でもできる体操で市民に親しまれています。実演では、子どもから高齢者まで、さまざまな来場者がステージの振り付けに合わせて体操を楽しみました。

歌に合わせたかわいい振り付け
歌に合わせたかわいい振り付け

・ゆっつらくん健康体操投稿動画大賞表彰

「ゆっつらくん健康体操」をより多くの方々に知ってもらうために。「ゆっつらくん健康体操」投稿動画の募集をイベントに合わせて行いました。この日、多くの応募者の中から、最優秀賞と優秀賞の授賞式が行われました。

最優秀賞を受賞した大草野五代婦人会
最優秀賞を受賞した大草野五代婦人会
帯広市から保健福祉部健康増進課の職員がオビロビを披
帯広市から保健福祉部健康増進課の職員がオビロビを披
ビロビを実演する来場者
ビロビを実演する来場者

・第3回健康都市めぐりin嬉野市開催記念ボッチャ競技大会

19チームが参加し熱戦を繰り広げました。

ボッチャの団体戦
ボッチャの団体戦
優勝した「このめの里Dチーム」
優勝した「このめの里Dチーム」

・パネルおよびブース展示

各団体や企業のベストプラクティスを学ぶ機会を設けました。

口腔ケアに関する嬉野市の健康づくりの取り組み
口腔ケアに関する嬉野市の健康づくりの取り組み
嬉野市食生活改善協議会は学校での健康づくり活動を紹介
嬉野市食生活改善協議会は学校での健康づくり活動を紹介
佐賀嬉野バリアフリーツアーセンターの活動をパネルで紹介
佐賀嬉野バリアフリーツアーセンターの活動をパネルで紹介
協賛企業の製品やサービスを紹介するパネル
協賛企業の製品やサービスを紹介するパネル

閉会式

イベントは、閉会式での健康都市宣言(健康都市嬉野)で幕を閉じました。

以下、谷口市長の宣言文を引用します。

健康都市宣言を行う谷口市長
健康都市宣言を行う谷口市長

健康都市宣言「健康都市うれしの」

本日の第3回全国健康都市めぐりin嬉野市において、基調講演をいただきました伊藤数子先生や妙高市入村市長様、帯広市名和部長様、そして健康都市連合中村事務局長様より各都市の様々な健康づくりへの取り組みについてすばらしいご紹介をいただきました。皆様方の並々ならぬご尽力に心から敬意を表するところでございます。

さて日本は、今や医療技術の進歩や生活環境など社会情勢の変化によって平均寿命は著しく延び、世界有数の長寿国となりました。しかし一方で急速な高齢化や生活習慣病も増え、寝たきりや認知症など高齢化に伴う要介護者の増加も深刻な社会問題となっています。

さらに少子化や核家族化など家族構成やライフスタイルの大きな変化によって育児不安や児童虐待をはじめとする親子の心の問題や思春期の子どもの健康についても、早急かつ適切な対応が求められています。

 

「健康都市うれしの」は、すべての人が生涯を通じて健康で生きがいのある暮らしを送るために、市民一人ひとりが日々の生活の中で積極的な健康づくりに取り組み、そうした取り組みを地域社会全体で支援していく体制づくりを行って参ります。

ユニバーサルデザインの考え方に基づき、「すべての人にやさしいまちづくり」を推進する嬉野市において、新たにユニバーサルスポーツを通じて、すべての人が一緒になって楽しみ、健康で過ごすことができる「健康都市うれしの」を市民、全国さらには2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて、3つの施策を掲げ発信していきます。

 

①子供から高齢者まであらゆる世代で、誰もがスポーツを楽しむことができる環境そしてプログラムの整備を行い、生涯健康で過ごすための包括的仕組みづくりに取り組んでいきます。

②障がい者スポーツと生涯スポーツの普及・推進を通じ、日々の生活においても市民自ら健康づくりに取り組むよう働きかけを行って参ります。

③様々な団体・企業との連携によるスポーツを通じたコミュニティの振興を積極的に計っていきます。

 

以上3つの施策によって、すべての方々があらゆるスポーツを通じて、生涯健康で暮らし続けられる「健康都市うれしの」を市民と一緒に作り上げていくことをここに宣言いたします。

 

平成27年11月14日

嬉野市長 谷口 太一郎