愛知県北名古屋市
あなたは「回想法」という言葉を聞いたことがありますか。“回想”とは、かつて経験したことを思い返すことですが、実はいま、この“回想”が、認知症や介護の予防に効果が期待できると注目を集めているのです。そもそも回想法は、欧米諸国で始まった療法。高齢者が自らの体験や懐かしい道具を教材にその体験を語り合い、それを共感的に受け入れることで、高齢者の心理的な安定や記憶の改善をはかるというものです。
地元の資料館で収集した生活用品を、
回想法の実践に利用している。
愛知県の北名古屋市では、この回想法を高齢者の認知症予防に活用する取り組みが続けられています。市の歴史民族資料館は、昭和初期の生活用品を幅広く保存しており、その数はなんと1万点以上!(すごい!)回想法の教材には不足しない環境が整っているのです。来館者はみんな「これ、昔使ってたなぁ…」「ウチにあったものと同じだ!」と懐かしさに浸りながら思い出話に花を咲かせるそう。高齢者でなくても自然に回想している人が多いといいます。
お年寄りにとって「懐かしの生活用品」は、過去の記憶を呼び覚ます良いきっかけになるようです。普段は会話が話が少なく気持ちが塞ぎがちな方でも、古い冷蔵庫や洗濯機、自動車など昔懐かしい生活用品を目の当たりにすると、目を輝かせて当時の思い出を語ってくれるそう。おじいちゃんやおばあちゃんが楽しそうに話している姿は、見ているこっちまでうれしくなりますね。いま北名古屋市では、回想法を実践する目的で、歴史資料館や古い住居などの見学者が急増しているとのこと。そこで北名古屋市は、こういった活動を「おでかけ回想法」」と称して、場の提供とサポートを行っています。
認知症予防には、現在いろいろ方法が試みられています。しかしそれらは、高齢者が普段やらない作業に取り組ませるものが多いような気がします。それに対して回想法は“気持ちを前向きにする”ことに重点を置いているところが興味深いですね。
詳しくは 愛知県北名古屋市ホームページ
問い合わせ:愛知県北名古屋市市役所 高齢福祉課
電話:0568-22-1111
E-mail:korei@city.kitanagoya.lg.jp