第14回健康都市連合日本支部総会・大会

大会ののぼり
大会ののぼり

7月19日(木)~7月20日(金)、千葉県松戸市で第14回健康都市連合日本支部総会と大会が「市民が主役の健康づくり」のテーマのもと開催されました。

総会には、網走から南さつま市まで全国33の自治体から首長をはじめ担当職員や団体が、大会には市民団体や企業の担当者を加えた延べ765人が参加。二日間にわたり講演や発表で情報共有を行うとともに、懇親会等で交流を育みました。


総会・大会概要

日時:7月19日(木)~7月20日(金)

会場:森のホール21(小ホール)

主催:健康都市連合日本支部、松戸市

主管:第14回健康都市連合日本支部総会大会実行委員会

後援:松戸医師会、松戸歯科医師会、松戸市薬剤師会、松戸市健康づくり推進会議

協力:千葉県、認定NPO法人健康都市活動支援機構、松戸市健康推進員協議会、

         松戸市食生活改善推進協議会


大会パンフレット
大会パンフレット
森のホール21
森のホール21


プログラム:

総会(10:00~12:00)

大会1日目(13:00~16:45)

1.開会

2.開催市挨拶

3.来賓挨拶・紹介

4.基調講演

 古畑公和洋女子大学大学院教授

  「市民が主役の健康づくり・健康と栄養の過去、現在、未来」

5.開催都市発表松戸市健康推進課による事例発表

  「市民の健康づくりを応援!まつど健康マイレージ」

6.加盟都市実践報告

  「世界の動きと地域の取り組み:SDGs(持続可能な開発目標)を推進する健康都市」

   座長:中村桂子健康都市連合事務局長 発表:愛知県尾張旭市、千葉県柏市

7.アトラクション 松戸市立第四中学校の吹奏楽演奏

8.次回開催予定都市挨拶 香川県高松市

9.閉会

 

大会2日目(10:00~12:00)

1.開会

2.加盟都市活動発表

 香川県高松市保健センター「高松市健康都市推進ビジョン~ウォーキングによる健康づくりの推進~

3.市民団体活動発表

 松戸市健康推進員経験者「健康カルタで元気になろうよ」、「ピンピンラジオ体操で下半身強化」「笑いヨガ~認知症予防とケアのために~」

4.後援団体発表

 松戸市医師会市場医院市場卓医師「まちっこプロジェクト」

5.閉会


総会

 総会では、健康都市連合日本支部長の水谷洋一網走市長の挨拶の後、日本支部の役員や出席者が紹介されました。続いて総会・大会開催市の本郷谷健次松戸市長と健康都市連合中村桂子事務局長が挨拶。議事では収支報告や事業計画等が承認され、平成30年度の役員が以下の通り選出されました。

 

支部長  大城一郎八幡浜市長

副支部長 本郷谷健次松戸市長

副支部長 丸山浩一西東京市長

監事   櫻井義之亀山市長

 

また、第15回健康都市連合日本支部総会・大会開催市に高松市が決定しました。

総会会場
総会会場

健康都市連合日本支部長 水谷洋一網走市長

「WHOの健康都市づくりを地域特性を生かしながら行うことが目的なので、情報交換や交流を通じてそれぞれの都市のあり方を模索していただきたい」

健康都市連合 中村桂子事務局長

昨年、WHOの事務総長がエチオピアの元保健相、テドロス・アダノム氏に代わった。地域での具体的な健康推進に熱心でエネルギッシュに活動している。当連合はWHOと密接な関係をもちながら健康都市を推進しており、皆さんと共に新しいモデルづくりをしながら加盟都市を増やしていきたい。

健康都市連合新日本支部長 大城一郎八幡浜市長

皆さんのお力をお借りして健康都市の目標に沿って事業を進めていきたい。四国から一つでも多くの自治体に会員になってもらえるように力を注ぎたい。

 

第15回健康都市連合日本支部総会及び大会の開催市代表

加藤昭彦高松市副市長

大会を開催することで、市民の健康づくりへの意識が一層高まるので期待している。当市は、うどんだけでなく美味しい食べ物や環境に恵まれている。思い出に残るようないい大会になるように準備したい。

 

協議事項では、健康都市活動支援機構の千葉光行理事長が会員の加盟促進と健康ボランティア団体の育成について意見を求め、承認されました。

●加盟促進について

 「過去5年間、健康都市連合日本支部の加盟自治体数は減少から横ばい傾向にある。健康都市の実現に賛同する都市のネットワークを構築することも支部の重要な役目であることから、会員首長から未加盟の首長に働きかけを行うなど、新規加盟促進を行っていただきたい」

●ボランティア団体の育成について

 「地域における健康づくりの一翼を担うのがボランティア団体である。健康都市連合日本支部では大会を開催し、加盟自治体によっては研修等を行うことでボランティア団体の育成に努めているが、一方で、予算等の制約により対象者を広げることが困難な状況もあると聞きいている。そこで健康都市活動支援機構では、『ヘルシーパートナーズ事業』の一環として健康都市づくりに関する『eラーニング』を自己資金で企画・導入し、ボランティア団体の育成を支援する事業を計画している。

当機構が実施する当該事業に対して、加盟自治体からコンテンツのアドバイスやボランティア団体への紹介をいただきたい」

続く活動報告では、健康都市連合理事である尾張旭市の水野義則市長が国際フォーラムや理事会、理事会役員の選挙、第8回健康都市連合国際大会(2018年10月17日~20日、マレーシアサラワク州クチン市)について発表しました。

また、健康都市連合からは、中村桂子事務局長が同連合の状況や国際動向について報告しました。因みに、同連合の会員数は現在以下となっています。

 

正会員(181団体):オーストラリア(5)、カンボジア(1)、中国(33)、日本(32)、韓国(91)、マレーシア(1)、モンゴル(5)、フィリピン(12)、ベトナム(1)

準会員(47団体):NGO/NPO(30)、学術機関(9)、国家機関(5)、

民間組織(2)、個人(1)

最後に、健康都市活動支援機構が平成29年度活動報告と平成30年度活動計画を発表しました。活動報告は主な事業として「ヘルシーパートナーズ事業」と「国際交流事業」についてです。一方の活動計画では、新規事業として「ヘルシーパートナーズ事業」のコミュニケーションツール」と「SDGsと健康都市づくりに関するセミナー&コンサルティング事業」について発表しました。

セミナー&コンサルティング事業
セミナー&コンサルティング事業
機関誌「ヘルシーパートナーズ」の告知
機関誌「ヘルシーパートナーズ」の告知

総会出席者集合写真
総会出席者集合写真

大会

 開催に先立ち、新支部長の大城一郎八幡浜市長、大会開催地の本郷谷健次松戸市長、来賓の千葉県保健医療担当部岡田就将部長(森田知事代理)、そして日本支部の千葉光行顧問(健康都市活動支援機構理事長)が挨拶をしました。

大城八幡浜市長
大城八幡浜市長

「最近、日本列島で自然災害が頻発している。西日本豪雨災害では愛媛県も被災し、土砂災害や浸水災害に見舞われた。 不幸中の幸いにも、八幡浜市では人的被害が無かった。これは健康都市連合の活動を市民が推進してくれたためでもある。医師や看護師、薬剤師、保健師、消防団もコミュニケーションを密にしてきた。今回、午前3時半に避難勧告を出し、土砂災害への避難を呼びかけた。4時~5時の間に対象地区全ての人々が避難所に集まった途端、土石流が発生。民家を押し流したのだ。

世界では自然が猛威を振るっている。これは環境が健康ではないためと考える。一つの自治体では対処できないので、日本全体、すべての人々が同じ意識をもって動することが必要だ。健康都市連合の役割は大きい。人の健康、まちの健康、環境の健康を達成するために我々がリーダーシップをとらねばならない。隣接する自治体に声掛けをして加盟都市を増やすことも大切だ。今後とも健康都市活動にご支援・ご協力いただきたい。」

大会会場
大会会場
本郷谷松戸市長
本郷谷松戸市長

「当市は面積64平方キロメートルの中に49万人の市民が暮らす東京のベッドタウン。高度成長とともに発展したため、団塊の世代と団塊ジュニアが突出している。現在、段階の世代が70代に入ろうとしており、高齢化による健康問題が急速に浮上。健康がかつてないほど重要になっている。隣の市川市も同じ状態だ。首都圏の健康都市のモデルとして参考にしていただきたい」

千葉県保健医療部岡田担当部長
千葉県保健医療部岡田担当部長

「千葉県では急速に高齢化が進み今後さらにスピードアップすることが見込まれており、平成27年には高齢化率25.9%だったのが、37年には30%になると予想されている。高齢社会において国民が健康で充実した人生を送り心豊かに暮らせる社会を実現するには、健康づくりが何よりも重要だ。本県としても、生活習慣病の予防やライフステージに合わせた心身の機能の維持・向上の取組み等を通じて健康寿命の延伸を市町村と協力しながら目指している。そうした中、健康都市連合は、地域の特性に応じた健康都市の実現に向けて日々取り組んでいる。本大会で地域で抱える課題やそれに対する取り組み事例等を共有し、互いの交流を一層深めていただき、健康都市の実現に向けさらに前進することを祈念する」

健康都市活動支援機構千葉理事長
健康都市活動支援機構千葉理事長

「当機構は民間の活力で日本支部加盟自治体を支援している。特に『ヘルシーパートナーズ事業』では、健康ボランティア団体の活動を支援しており、本年度は松戸市、鎌ケ谷市、市川市で展開中。今後、他の自治体からの要請があれば協力させていただきたい。来年度は『eラーニング』を企画している。食と運動と社会参画をテーマに健康都市をインターネットで学べる内容で、スキルアップに役立てていただきたい。また、2030年の目標達成をめざして全ての国連加盟国が取組む持続可能な開発目標(SDGs)について、特に自治体がどう取り組めばよいのか、セミナーやコンサルを行っていく。」



登壇した各市長にエールを送るそれぞれの市民団体
登壇した各市長にエールを送るそれぞれの市民団体

基調講演

「市民が主役の健康づくり・健康と栄養の過去、現在、未来」

 和洋女子大学健康栄養学科の古畑公教授が当タイトルで自身の経験を交えて基調講演を行いました。

古畑教授は東京農業大学大学院環境共生専攻博士課程修了。厚生労働省健康局栄養・食育指導官(食育推進室長併任)等を経て現職に就いています。

古畑教授は厚生労働省時代に1978年から始まった日本の健康づくり対策の栄養領域を担当し、健康日本21(第2次)や食事バランスガイドの作成に携わりました。公衆衛生領域では、健康の社会的要因の最重要事項の一つに栄養及び公衆栄養領域を位置付けたことで知られています。

本講演では、そうした栄養や食育の発展経緯にくわえ、松戸市で行った栄養摂取の実態調査についても触れました。「最近の炭水化物を控えるダイエットの影響を含め、主要な栄養やビタミン・ミネラルが不足する現状が明らかになった」と古畑教授。改めて食品成分を分析したところ、手作りの食事が減り、コンビニ、レトルト、インスタントが増えるなか、栄養素が不足がちになっていると指摘しました。

松戸市での実態を踏まえ、もう一度食事や栄養素の在り方を考えていただきたいと古畑教授。食べることが原点にあることを強調し、「子育てしやすい環境整備の意味でも、いかに持続可能な社会を担う子供たちを育成するのかを大会を通じて発信して欲しい」と訴えました。

古畑教授
古畑教授

開催都市取組み発表

「まつど健康マイレージ」

 松戸市の担当職員が「まつど健康マイレージ」について発表しました。「健康松戸21Ⅲ」に基づき、平成28年からスタートしたプログラムで、市民が健康診断や健康増進を促すイベント等に参加して「50マイル」を貯め、応募すると特典が抽選で当たる仕組みです。

モチベーションの維持・向上のために考案されたのが「ガンバマイル」です。応募したマイルが消えずに累積され、「1000マイル」、「2000マイル」、「3000マイル」にそれぞれに到達すると、表彰が受けられる制度です。

当市によると、アンケートでは参加者の9割が健康づくりの意識が高まったと回答しています。平成29年度は、4043人から8253件の応募があり、松戸市及び健康松戸21の応援団(平成28年、「健康松戸21Ⅲ」推進するために団体や企業をメンバーに創設。松戸市医師会、松戸歯科医師会、松戸市薬剤師会をはじめとする27の地元企業が加盟)からの特典に3342名が当選したとのこと。

「ガンバマイル」での「1000マイル」の達成者が平成30年5月末で6名になったことから、当会場で「三師会賞」(松戸市医師会、歯科医師会、薬剤師会)の表彰式が行われました。

松戸市の発表
松戸市の発表
三師会賞の表彰式
三師会賞の表彰式

加盟都市実践報告

持続可能な開発目標(SDGs)の取組み

 続いて、SDGsの取組みをテーマに、健康都市連合の中村事務局長が健康都市との関係性を示し、尾張旭市の水野市長、柏市地域医療推進課稲荷田課長、松戸市健康推進課の吉村氏が具体的な取組みを発表しました。本稿では、中村事務局長と水野市長の報告を紹介します。

「世界の動きと地域の取り組み:SDGsを推進する健康都市」

健康都市連合中村桂子事務局長

 「持続可能な開発目標(SDGs)は、2015年に国連ですべての加盟国によって採択された。17の目標があり、「目標3:すべての人々に健康と福祉を」が健康に直接関係する目標になっている。したがって、健康都市で目指す主目標は「目標3」になる。細かく見ると、この中には生活習慣病への対策、薬物やアルコールの問題、水や大気の汚染、タバコの対策等がある。

一方、「目標11」には「住み続けられるまちづくり」が掲げられている。まちの健康、社会の健康に焦点を当てている健康都市では、都市環境に働きかけることも重要だ。

ただし、健康都市で取り組むのは3番と11番だけでない。その他の領域、例えば教育、環境、雇用、革新的な技術の開発、海や陸の生態系保護も関係する。健康はSDGsのすべての目標に関係する課題なのである。例えば、食生活改善推進員の活動は、「目標2」の食と「目標3」の健康に直結する。子どもたちや大人の知識を広める教育、さらに「目標12」の「つくる責任、つかう責任」も関係する。最近は食品ロスが話題になっているが、日々の活動の中で栄養バランスのとれた食事をつくると同時に、無駄な廃棄はしないことで食品ロスを減らせるからだ。

このように、日頃すでに取組んでいる活動がさまざまな目標と関係しながら、SDGsに貢献していることを意識していただきたい。活動をもう一度総点検し、それらがどの目標と関係し、改善し合うのかを考えることが大切だ。次のステップとして、新しい領域の活動を広げることができるはず。WHOの健康都市は、SDGsの17の目標すべてと関係する活動を通じた住民の健康を重視するまちづくりなのである」

愛知県尾張旭市の取組み

尾張旭市水野義則市長

 本市は愛知県の北西部に位置しており、名古屋市の東に隣接している。人口が8万3000人、面積21平方キロメートルというコンパクトで山も海もない地形だ。本市には愛知県の森林公園があり、平成31年春に第70回全国植樹祭が開催される。元号が変わり、新しい天皇皇后両陛下が初めての公務として出席される予定だ。尾張旭市としては大変大きなイベントになる。スタッフを含めて1万人が来場されるので、おもてなしをしていきたいと準備している。

それでは、健康都市の取組みについてまず説明したい。本市は平成16年に健康都市連合に加盟し、体の健康だけでなく、心の健康、まちの健康を含めて総合的に健康まちづくりに取り組むことにした。健康都市宣言を行ってから15年目を迎えている。当市での健康都市づくりの認知度は、市民の中では確実に高まっていると感じている。

本市の健康都市プログラムは、「寝たきりにさせないまちづくり」、「外に出かけたくなるまちづくり」、「住み続けたくなるまちづくり」の3本柱で構成している。この3本柱のまちづくりを進めて、体の健康、心の健康、まちの健康に市役所だけでなく、市民や学校、事業者の皆さんと一緒になって取り組んでいる。

市民との協働については、本日、健康づくり推進員、食生活改善推進員、スポーツ推進員の方々が来ているが、こうした人々をはじめ多くの市民と協働しながらさまざまな取り組みをしている。産、学、公の連携では、市内唯一の大学とスポーツ用品メーカーの協力でノルディックウォーキングに取組んでいる。また、製薬会社には熱中症の講座を学校で担当いただいている。

次にSDGsとの関係を、計画と具体的な事業の二つの切り口から考察したい。市の計画とSDGsはどのような関係にあるのか。SDGsは後から出てきた概念であり、総合計画で健康都市プログラムを作成した時にはSDGsという言葉は無かった。ではまったく関係無いのかというとそんなことはない。

現在、当市は第5次総合計画の中間点の時期にあり、将来の都市像として、「みんなで支える緑と元気溢れる住みよいまち尾張旭」を掲げている。「みんなで支える」ことは、私が市長就任時から言っていることで、ビジョンとして「みんなで支え合うまち」、「全員参加のまちづくり」の考え方を盛り込んだものになっている。また、「緑と元気溢れる住みよいまち」の部分は、体、心、まちの健康づくりという、健康都市の考え方をベースにして、将来の都市像を掲げている。この都市像を実現する政策を8つに分類していろいろな事業を位置付けているのである。

SDGsはそもそもできることを進めていくものではない。まずは目標をつくり、そこから発想すること、数値目標でその進捗を測ること、政府や自治体だけでなく企業や市民すべての主体が役割を担うこと、目標が相互に関連しており課題の総合解決を目指すこと等を掲げている。このSDGsの発想が、目標を掲げておいて具体的な事業に落とし込む総合計画に似ていることに注目したい。総合計画も数値目標を掲げており、その数値に近づけるように各施策を行うという点も、SDGsの概念に近い。

第5次総合計画では、5つのまちづくりの進め方を掲げている。5つの中で、「住民との協働で進めます」、「健康都市の取組みを進めます」、「分野横断的な取り組みを進めます」の3つは、SDGsの特色と関連が深いところだ。

健康都市プログラムは平成16年度の策定し、10年経過した26年度に改定した。現在、第5次総合計画と計画期間を合わせてプログラムを推進しています。この2つの計画の関連付けの方法として、第5次総合計画での将来像に健康都市の考えを盛り込むほか、関係性の強い200あまりの事業を健康都市プログラムの体系と関連付けている。健康都市プログラムの進捗を、総合計画のそれと合わせて測れる仕組みだ。

次の図が、この2つの計画とSDGsがどう関連するのかを整理したものだ。コミュニティバス、あさひ号の事例で説明したい。本事業は、総合計画の中の「政策3:快適な生活を支えるまちづくり」に位置付けられている。では、SDGsではどうかと考えると、「目標11」と「目標17」が関連する。これを他のものに当てはめると、このような形になるということで、総合計画と健康都市プログラムの各事業はSDGsの17の目標すべてと関連があることがわかる。

2つ目の切り口として、具体的な事業とSDGsはどうなっているのか?本市でも健康マイレージ的な事業を行っている。手帳方式で、私も手帳を持ってポイントを集めている。本事業は、「あさひ健康マスター」という名称で平成20年度にスタートし、10年が経過した。毎年、達成者を表彰し、10年連続で達成すると「ゴールドマイスター」という名称で特別表彰している。当初はカード方式だったが、昨年に手帳方式にリニューアルした。SDGsの視点で見ると、カード方式の時にはこの3つが、手帳方式ではさらに関連する目標が増えてい

。同じマイスター事業として行っているものが、よりSDGsの達成に近づいてきたという感じだ。

ポイント達成者には、企業から協賛を募って抽選で賞品を提供している。企業や各種団体、或いは商工業者の方々に協力いただく点で、「目標8」と「目標9」にも波及効果があると期待している。手帳方式はSDGsを意識したものではないが、目標達成を意識することで、新たな着想が得られる可能性があるとも感じている。

現在どこの自治体もSDGsを意識して計画は作っていないと思うが、改めて整理すると当市と同じような結果がでるのではないか。当市もSDGsを意識して計画を作ったわけではないが、改めて整理するとSDGsの特徴と共通点が多く親和性が高いことがわかった。今後計画を見直したり、新たに作成するときには、SDGsの視点を持つことでさらに施策を効果的に行えるのではないかと感じているし、新たな発想も得られると思っている。今後は政府や他の自治体のSDGsの取組みを参考にしながら市民や事業者などさまざまな主体と連携し、これまでのまちづくりを継承、発展していきたいと思う。以上のように、健康都市の取組みを進めることがSDGsの目標達成におのずと繋がっていくことを最後のまとめとして私の発表とさせていただく。

アトラクション

松戸市立第四中学校吹奏楽部が演奏。本楽部はこれまで全日本吹奏楽部コンクールに8回出場し、すべて金賞を受賞しています。今回もパフォーマンスを取り入れたステージで観客を魅了しました。

大会二日目は、加盟都市の活動発表と松戸市市民団体の活動発表、そして本大会の後援団体の活動発表が行われました。

加盟都市活動発表

香川県高松市保健センター「高松市健康都市推進ビジョン~ウォーキングによる健康づくりの推進~」

 「高松市では、第2次健康増進計画『高松市健康都市推進ビジョン』の、身体活動・運動の取組みとして、1日の歩数を普段より1,000歩多くする目標を掲げている。平成29年には、地域コミュニティ協議会及び地区保健委員会の協力のもと、44地域コミュニティ協議会のエリア毎に『高松市健康づくりウォーキングマップ』を作成。平成30年には、完成記念として、屋島レクザムフィールドでウォーキングイベントを開催した。150人が参加し、『健康づくりに効果的なウォーキング』をテーマとする講義や実技指導を実施。今後も地域や企業でウォーキングマップを活用したイベントを継続的に行い、『歩くこと』への関心を高め習慣化を図る支援を行っていく」

高松市保健委員会連絡協議会会長
高松市保健委員会連絡協議会会長

松戸市市民団体の活動発表

「健康カルタで元気になろうよ」

 「健康と防災をテーマに『健康カルタ』を作成。読み札は、今まで学んことを短い文章でまとめた。併せて絵札にイラストを入れ、2セットのカルタを作成。高齢者いきいきサロンでカルタ大会を行った。大会は盛り上がり、『ゲーム性もあり、楽しんで身体も頭も動かすことができた』、『健康知識を得ることができた』、『カルタの文章がとても参考になった』と好評だった」

松戸市健康推進員による「健康カルタ」の発表
松戸市健康推進員による「健康カルタ」の発表

「ピンピンラジオ体操で下半身強化」

 「ラジオ体操は広く普及しており、アレンジしても覚えやすい。そこで、楽しく効果的に運動することを習慣化するためにラジオ体操第一に下半身強化の要素を加えた『ピンピンラジオ体操』を考案し、解説プリントも作成した。1,400名ほどが参加する『小金原大運動会』の昼休みでは、子どもから高齢者を対象に体操を実演。健康推進員の活動を理解してもらうとともに、地域の健康づくりに寄与した。」

松戸市健康推進員による「ピンピンラジオ体操」の発表
松戸市健康推進員による「ピンピンラジオ体操」の発表
「ピンピンラジオ体操」のプリント
「ピンピンラジオ体操」のプリント

「笑いヨガ~認知症予防とケアのために~」

 「認知症予防に効果があるとされる『笑いヨガ』の活用を推進員が提案。デイサービスで実践している。結果、20~30分でも体が温まり、効果があると実感した。口角を上げて笑顔を作るだけでも脳には本当の笑いと同等の刺激があり、明るい気持ちになった。はじめは消極的だった高齢者も、だんだん上を向いて表情が明るくなっていった。」

松戸市健康推進員による「笑いヨガ」の発表
松戸市健康推進員による「笑いヨガ」の発表

後援団体の発表

松戸市医師会市場医院市場卓医師「まちっこプロジェクト」

 「松戸市医師会では、平成27年から『まちっこプロジェクト』を進めている。医師会員が市内小中学校へ赴き健康や命に関する授業を行うもので、現在は『命の尊さ』と『認知症』をテーマとしたプログラムがある。目的は以下の4点。

1.健康とは自ら守り育むものであり、そのために知識や行動が大切になる

2.自分や家族の重大事を決めるために、日頃から家族内で相談を積み重ねておく

3.地域社会における地縁などコミュニティでのつながりを深めていく

4.命や家族の健康について相談することができるかかりつけ医を持つ

今までに3,000人以上の児童・生徒が受講した。両親や祖父母など周囲の大人に内容を伝えてもらうことで、地域社会全体への浸透を図っている」

松戸医師会市場卓医師
松戸医師会市場卓医師
「まちっこプロジェクト」のチラシ
「まちっこプロジェクト」のチラシ


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